待ち時間対策考

待ち時間はなぜ不満なのか

それは「生産性」も「基準」も無い時間だからです。

体調が悪い患者さまは診察の直前まで自宅や車の中で身体を休めていたい筈です。
また、ただ待合室の椅子に黙って座っているより時間を有効に使いたいと考えています。
「生産性のない時間」に患者さまは強い不満を感じます。
「いつ呼ばれるかわからない」空虚な時間に患者さまは苛立ちを覚えます。

「この時間があれば銀行に行けたのに」
「夕食の買い物に行けたわ」
「会議に間に合いそうにない!」

「患者が多ければ待ち時間もそれなりに長くなる」と、ある程度、覚悟はしています。
わかってはいますが「いまどのくらい」「あとどのくらい」という基準が無いまま
待つことに不安と不満を感じます。
無駄に時間を奪われた…と感じる方もいらっしゃいます。

貴院の現状はいかがですか?
患者さまが多くて待ち時間が長い病院(医院)は医療技術の高さを表していると言えます。

とは言うものの根本的に「患者さまに不便をかけない」ということが経営の大原則。
今更ですが患者の不満の上位は決まって「長い待ち時間」。
あるデータによると「病医院を変えた理由」の第5位は「待ち時間が長い」で約25%の方がそう答えています。
待ち時間の不満の声が聞かれますか?
そうなりつつあるのでしょうか?
また「待ち時間対策」の先手を打って競合時代に向かおうとされているのでしょうか?
「あの医療機関はとてもいいけど、待ち時間が長過ぎて…」
「少し行けば待ち時間が短い医療機関があるから、今度からは…」
「この程度の症状なら空いている違う医療機関で診てもらっても…」
一度、他院に移った患者を再び呼び戻すことは究めて困難な作業です。 
待ち時間対策の限界

ある医療機関で4時間かかっていた待ち時間を半分(2時間)に短縮せよという課題があったとします。

どうしたらよいでしょう。
短絡的ですがすぐに思いつく方法は以下の3つしかありません。

・医師の数を倍に増やす
・患者さまを半分に減らす
・患者さま1人当たりの診療時間を無理矢理 半分に減らす

…いずれも実現不可能で非現実的な話です。

中待合室で上着を脱いでおいてもらう、質問は紙に書いて持参してもらう、スタッフは小走りで動く、患者の長話は
上手に切り上げる等の策もよく検討されますが残念ながら抜本的な解決に至っていないのが現状です。
もっとダイナミックな意識で改良・改善・改革・革新が必要です。

本当に待ち時間は短縮可能なのか

ここで待ち時間とは「受付をしてから診察までの時間」と仮定します。

9:00診察開始で受付を8:30から始めるクリニックがあるとします。
開錠と同時に外で待っていた30人がやってきて順番に受付をしました。
1人の診察に5分要すると仮定すると1番の患者さまは9:00に呼ばれ9:05に診察を終えます。
でも30番の患者さまは9:00からほぼ150分待つ計算になります。(本当はもっとかかることでしょう)
受付をした時点で2時間半の待ち時間が決定してしまいます。
「早くから並んで待っているのに、いつまで待たせるのだ!」という不満が噴出するのはこのような患者さまたちです。

上記の例で言えば8:30に医療機関に入った1番の方の待ち時間は8:30~9:00までの30分。
30番の方は8:30〜11:30の約3時間となります。
1番の患者さまと30番の患者さまのストレスの違いは説明するまでもありません。
とはいうものの1番の方は最前列に並ぶために誰よりも早い時間に来院していたのかも知れません。

  この30番の患者さまの不満を解消する戦術はお持ちですか?

理想の診療風景

待ち時間を短縮するとは「院内滞在時間を短縮する」 と言うことです―。

現実的にはあり得ない風景ですが…朝9:00に診察が始まります。
9:00直前に本日1人目の患者さまが来院しました。
その方を診察中に2人目の患者さまがやってきて1人目の診察が終わるとほとんど待つことなく診察室に呼ばれました。
その方を診察中に3人目の患者さまが… そうしているうちに4人目が…
一日中、このようなタイミングで患者さまが次々と来院するのが理想です。
現実には有り得ないことですが、この流れを意識して「待ち時間対策」を考えることが基本です。
でも、そのような事は可能なのでしょうか。

待ち時間対策を考える4つの要因

複雑な「待ち時間対策」も分類すると整理しやすくなります。

時 間
「直接的 待ち時間対策」   待合室に滞在している時間そのものを短くしようとする対策
「間接的 待ち時間対策」   待っている時間を様々な工夫で飽きさせないようにする対策

資 源
「人為的 待ち時間対策」  職員の患者への声掛け等でストレス低減を図ろうとする考え
「機械的 待ち時間対策」  予約システム、順番表示モニターなどの導入による便利化

4つの要因のそれぞれをバランスよく改良・改善・改革していく事を考えます。
① 緊急かつ重要なこと
② 緊急だけれど重要ではないこと
③ 緊急ではないが重要なこと
④ 緊急でも重要でもないこと …

①から順に対策を施すことをお薦めいたします。

待ち時間対策の考え方
◆ 着目すべき視点
「一度、
窓口で受付をしなければならない」― という部分に着目します。
先の例で言うとおおよそ同じ時刻頃に来院しても少しの差で後ろの方は人数×5分で待ち時間が増加します。

◆ 行ってみなければ解らない…。
医療機関に到着した時に誰も居なければ待ち時間はほぼ皆無。
先に10人いたら50分、20人待ちなら100分待ち…。
予想不可能な賭けにでるようなものです。そこで望まれることは…

◆ 今いる場所でわかるように
今、どのくらい混んでいるのか「今いる場所」で解ること。
混んでいたらWEBで「今いる場所」で受付を済ませて「順番」や「時間」を確保する。
または診察終了後に次回の予約時間を決めてしまう。
診療科や医療機関の規模で「順番予約」「時間予約」のどちらを採用しどのように運用するかを検討します。
いずれにしても受付をしに行く必要がないので自分の診察の「順番」や「時間」の直前まで自由。
即ち「院内滞在時間の短縮」=「待ち時間対策」です。
この時代だからできることです。
院長の決断をみんなが待っています

・不満を抱えながらじっと耐えて待つ患者(時に不満爆発)。
・患者からの問合せ・クレーム、厳しい視線を浴びながら業務をこなすスタッフ。
・疲労感を露わにする患者にせかされるように診察する医師。

この3つの苦悩は同じ空間で同じ時刻に同時に発生しています。
「待ち時間対策」はその空間にいる誰もが望んでいるにもかかわらず一向に改善されようとする気配を感じない。
それはいったいなぜなのでしょう。

「待ち時間対策をする」という決断を「するか」「しないか」の違いです。

何からどのように始めたらよいのかご不明なことも多いでしょう。
このホームページをご覧いただいている今が好機です。
柳田医療経営株式会社にご連絡ください。